森におもう      

2001年8月25日 中島薫.


 会の活動の方向性を探ろうと、メンバーの一人が持つ八ヶ岳の‘森の家’(と私は呼んでいます)で合宿をするこ とになった。サワサワサワ・・・という森(を抜ける風)の音に耳を傾けていると、心や頭がスゥ−っとし、呼吸が ゆっくりになり、気分はゆったりとし、なんだか森と息が合って、森も私も生きているなぁなどと、ふと思ったりし た。

 思えば4年前、男女共生の社会を企業人の視点で考えようと視察に訪れたノルウェーでも、森に出掛けたっけ。オスロの都心から電車で30分も行けばもうそこは森。低木の針葉樹の中を散策し、自生のブルーベリーを頬張ったりし た。マウンテンバイクとともに電車に乗り込んでいた数組の親子連れは、舗装のされていない森のサイクリングコースに、楽しそうに消えていった。

 最近友人より、家族で北海道への転居を考えている、という驚きの発言があった。候補地は札幌郊外。そこにはま だまだ自然がたくさんあり、まるで北欧のようだ、と彼は言う。40代を迎える今、仕事はまずまず、社内のポジショ ンも順調。子供は幼稚園、もうすぐ二人目が生まれる。一度しかない人生、自分のこの40代を‘どう過ごそうか’と 彼は考え、子供の成長とともに過ごそうと思った、という。広い家、森、野生動物、そんな中で寒さ暑さを肌で感じ ながら子供の成長を見守りたいのだと。40代の10年間を仕事に費やす人は多い。しかし彼は目を本当にキラキラさ せながら、「よくよく考えたよ。でも俺はやっぱりこの10年間は仕事だけではなく、家族とも存分に過ごしたいんだ 。貴重な10年を充実させたいんだ。」と。夏休み明けに北海道への転属希望を出すらしい。優秀な人材なので、引き 止める声も多いはず。

 そういえば、スウェーデンの某グローバル企業に働く男性は、育児休暇取得についての私達のインタビューに「仕 事はもちろん大事ですよ。でも人生を考えたときに、日々大きくなっていく子供の成長に関わらない手はない。その 成長をこの目でこの手で実感できる機会を得られるなんて、これほど幸福なことはないでしょう。だから当然のこと として育児休暇を取りました。」と応じてくれた。

 ‘森’‘家族’‘生きる’‘幸福感’・・・いくつかのキーワードがありそうだ。