日本のキャリアウーマン

               中塩 みあき

 8月山小屋に集まったのは企業で働く女性たち、私以外はすべて子供を育てながら企業で働き続けた珍しいキャリアウーマンたちなのだ。私たちは少子高齢社会のワーキングを長年してきた。

 八ケ岳にある私の山小屋には、たくさんの人が集まって共に生活する。皆社会の肩書きなどは忘れて無になる。今回の働く女性たちは社会でもまれ、男と同じ仕事をこなすだけでなく、家庭を持っているのでバランス感覚と生活力がある。母の愛と思いやりがあり、気配りもできるし機転がきく。日頃から厳しい環境で訓練されているので仕事もすばやく、とにかく生活者としても魅力的だ。

 しかし日本の企業社会では長時間労働の男に合わせて朝から晩まで働き、ストレスも多い。仕事に追われているとどうしても晩婚や独身になりがちだ。結婚しても男が家事を手伝うことが稀で、通勤時間が長く,休みの少ない過酷な労働環境下。子供が生まれても育児環境も整っていない。女性にとって子供がいて企業で働き続けるには、よほど家庭や職場や健康に恵まれ、本人たちも凄まじい努力をして、たくさんのハードルを越えた結果なのだ。

 メンバーと共に少子高齢社会のワーキングしてから、私は会社を辞めた。組織から外れると、この日本は世界の中では特殊なのかもしれないとしみじみと思う。

 脱サラして最初に訪問したブラジル。ブラジル女性にとって仕事も家庭もあるのが普通で子だくさんだ。それを支えるには気軽に雇えるメイドさんや家事をよく手伝うパートナーがいる。ブラジルでは離婚が多いので入籍をしない。バカンスも長く住環境も良く、物価も安く生活を楽しむ。

 スウェーデンで知り合った企業家の女性は、女性たちがネットを組みながら権利を勝ち取り、助け合っているそうだ。労働環境、教育環境、育児環境、高齢者環境が羨ましいほど整っている。政治家も半数が女性、町のすみずみ女性らしい感性が表れている。スウェーデンも昔は日本と同じ少子高齢社会が問題になったが、夫婦単位の税制から個人単位の税制におもいきって変え、今の男女平等、福祉社会へと生まれ変わったのだ。

 しかし日本の組織の中で働いている女性は時間的や精神的には厳しいけど、まだ恵まれているのだとつくづく思う。

 現在は非常勤勤務をしている私だが、周りの同僚はシングルマザーや中年独身女性が多い。離婚も増加、夫が亡くなったり、脱サラする例も増えている。サラーリーマンの妻というのがもはやいない。今までの日本女性たちは男と同じ教育の機会を与えられていても、組織に入るチャンスもないまま経過するケースも多い。非常勤で生活を脅かされながら子供を育てる女性、同じ資質の男だったら社会的地位がある筈なのに。

 ネパール女性から、女性の教育と社会参画が必要だとメールが来た。その通りだと思うが、教育だけでない。教育を受けながら社会参加しない有能な女性たちがたくさんいる。無尽蔵の女性の資源が日本にはまだ眠ったまま状態なのだ。社会に共同参画できる労働環境が日本に必要なのだ。

 女性が自然に子供を生みながら仕事を続けられる社会、これは男性にとっても暮らしやすい社会になるのではなかろうか。