ワークシェアリングについて  2001-1-12       

 北澤邦子


  2002年に入って急に「ワークシェアリング」という言葉に接する機会が増えました。失業率が悪化する一方の厳しい雇用環境の中で注目を浴びている言葉です。

 文字通りWork(仕事)をShare(分け合う)し合って時短と雇用の創出を図る概念です。ジョブシェアやパートタイム労働制、連続休暇者の代替など方法はさまざまです。

  ワークシェアリングの導入は労働の多様化、生活の多様化を認めるものです。例えば介護や看護、長期旅行や勉学などのために長期休暇を取っても、数年間職場を離れたとしても或いは短時間勤務や隔日勤務、早期退職など自分の生活に合わせた働き方をしても、それを補う代替要員がいますので容易にフレキシブルに働く事が可能です。妊娠・出産と仕事の両立問題に直面する女性のみならず、男性にとってもワークシェアリングの考え方は朗報です。なぜって「仕事命」を強制されず、欲すれば文化活動や地域活動、ボランティア活動を平行させながら人生を楽しめます。

  このワークシェアリングに成功したのは、オランダです。世界で初のパートタイム経済を確立し「オランダの奇跡」とまで呼ばれました。これは政府も労使双方も御互いに痛みを分かち合い、夫婦2人で働くことにより、夫はこれまでより労働時間を減らし、その分所得は今までより少なくなりますが、妻も働きますので夫婦併せてこれまでの所得の1.5倍程度を確保できるとするものです。パートタイムとはいえ、税制・社会保障・労働法上の大きな不利が生じない事が保証されています。

 長い目で見れば、多様な働き方が可能な概念なのですが、残念ながら今日わが国で議論されているのは失業対策のための緊急避難措置。まだまだわが国の労働意識は初歩的段階にあるようです。日本の給与は賞与や手当があり、時間換算するのが難しかったり、サービス残業や有給休暇の未消化などの慣行がありますので、労働時間の単価が画一的でないのです。社会保証の制度なども変える必要があります。

 私達の働き方についてもっともっと議論して行きたいと思います。皆さんもちょっと考えて見ませんか?