妃殿下のご出産―男性の目・女性の目 2002-1-12

北澤邦子  

 今回の雅子妃殿下のご出産が「14兆円の経済効果をもたらすかもしれない」とか「出産ブームがおきるかも知れない」との声は予定日が近づくにつれて、日に日に大きくなるばかりでした。ところが実際には、ある週刊誌が「宴の後」と表現したように敬宮様のご誕生で一時沸きあがった日本もお二人の退院とともにさっと静かになりました。

 2001年の出生数は117万500人でこれまでの統計からして過去最低になったとのことです。ホラッ。ね!やっぱり・・・。これからの先行きが不安では、誰しもなかなか子どもを産む気にはならないでしょう。

 38歳の妃殿下が非常に楽に出産なさったからといって、「じゃ私も」と妊娠・出産に踏み切る女性たちが多く存在するとは到底思えません。

 なぜって女性たちは今や自立することの意義を知っています。自分が働いて稼いだお金で「何を買い、どう使って楽しむか」を既に知っています。父親の育児参加意識が高まりつつあるとはいえ、社会そのものがまだまだ男性優位であることは骨の髄まで身にしみています。

 そんな中で子どもを持ったらその責任と負担は大きく自分に降りかかってくるこ とが明白であるとしたら、多くの女性が子どもを持つことから回避するのは当然でしょう。

 「14兆円の経済効果」「出産ブームの再来」。どちらも男性の発言に相違ないと感
じたのは私だけでしょうか?