育児休業法改正に寄せて
                            和光堂梶@北澤邦子

 

 育児休業法の改正案が間もなく国会を通過するだろうとのニュースが伝えられています。 1991年に制定されたこの法案は数々の不備を持ちながらも、ワーキングマザーにとって働き方の選択肢を広げられる点で画期的なものであったと思います。以来10年を経て育児休業法の恩恵を受けた人は少なくはありません。が、時代の状況により即したものとする為に来年春の施行に向けて改正作業が進められています。

 今回の改正の目玉は、未就学児童の看護休暇が取得出来るようになることです。子どもが病気に対する抵抗力を得るには、誕生してからいくつかの病気を経験して免疫性を獲得していかなければなりません。しかし子どもが病気をする度に、親は「仕事」と「子ども」との選択をせまられます。少なくとも今回の改正で看護休暇が法的に認められることにより、多くの親たちは随分と気が楽になるに違いありません。

  今回の育児休業法改正と平行して、去る7月6日には「仕事と子育ての両立支援策の方針について」閣議決定がなされています。以来小泉首相の発言の中にしばしば「待機児童ゼロ作戦」「多様で良質な保育サービス」「地域で子育て」などが出てきています。気づかれた方も大勢居られるでしょう。この閣議決定の中で私が素晴らしいと思ったのは、「両立ライフへ職場改革」の項目が第一項に掲げられたことです。

 基本的には、1)仕事と子育ての両立がしやすい多様な雇用形態や処遇、弾力的な労働時間性に取り組む。そのため政府としても支援・要請を行うとともに、税務上も対応に勤める。2)男性の育児休業取得を奨励するとともに、父親の出産休暇の全員取得をめざす(父親の産休5日間)。3)企業の両立指標を開発・公表する。また企業に両立支援の風土を育てるため、経営者や幹部の研修を推進する。 というものです。  

 厚生労働省は毎年ファミリーフレンドリー企業表彰を行っていますが、利益追求を第一義とする企業にとって「努力義務」に過ぎない法律は実効性が少ないのは明白です。今回政府が"積極的な両立支援が最終的に企業に「得」をもたらすのだ"と考えるような企業風土作りを進めていきましょうとの方針を打ち出したわけですが、果たして企業がこれを受け入れられるでしょうか? 法的整備は一歩を踏み出していますので、これからは企業の風土作り・人々の意識改革です。まずは1日も早く両立指標を開発すること、そして好成績の企業を公表するのではなく、むしろミニマムラインに満たない企業は公表するぞという姿勢で進めて欲しいものです。